葉の形がヒューケラにそっくりのティアレラという植物をご存知でしょうか?
カラーリーフの代表と言えば、ヒューケラ(ツボサンゴ)を思い浮かべますが、最近はヒューケラに似たティアレラというものも人気が出てきています。主に葉を楽しむヒューケラと違って、ティアレラは葉と花を楽しめる優れた性質を持っています。
またティアレラは、とても丈夫な植物なので、植えっ放しのできるありがたい植物です。
そこで今回は『ティアレラの育て方と特徴|ふやし方やヒューケラとの違いも!』のタイトルで詳しくご紹介していきます。
こんな方におすすめ
- ティアレラを育て方を知りたい
- ティアレラとヒューケラとの違いを知りたい
- 日陰で育つ手間いらずの多年草を知りたい
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ティアレラの基本情報
- 植物名:ティアレラ
- 科名:ユキノシタ科
- 学名: Tiarella
- 属名:ティアレラ属(ズダヤクシュ属)
- 開花期:晩春~初夏
- 分類:多年草(冬期常緑~半常緑)
- 草丈:20~40cm前後(生育後の高さで花丈も含む)
- 耐寒性 : 強
- 耐暑性 : 比較的強い
- 日 照 : やや半日陰
- 原産地:北アメリカ(原種の主な自生地)
ティアレラとは?特徴は?
ティアレラはユキノシタ科ティアレラ属の常緑の多年草です。耐寒性が強く丈夫な性質ですので、初心者の方にもおすすめの植物です。
また耐陰性も強く日陰でもたくさんの花が咲くので、シェードガーデンには貴重な存在です。
花が咲いていない時期の葉だけの状態を見ると、最近人気のカラーリーフプランツ、ヒューケラにそっくりですが、ヒューケラは暑さにやや弱く、真夏は日陰に近い場所を好むのに対し、ティアレラは半日陰でも十分夏越しをするので、ヒューケラよりも夏越しがしやすいといえます。暑さ寒さに強く日陰にも強いので、適応できる範囲が広く、日本の至る所で育てることの出来る植物です。
また最近では、ティアレラとヒューケラの両者を交配して「ヒューケレラ」という新しい植物も登場しています。
ティアレラの葉は?
葉はヒューケラにとても似ていますが、ティアレラは品種によって深い切れ込みがある品種や、丸葉の品種があります。
また、葉には葉柄があり、多くは葉脈に沿って濃赤に色付きます。株はロゼット状にまとまります。
花のない時期も美しい葉は、シェードガーデンのカラーリーフとしても利用されます。
常緑で冬越ししますが、冬の時期の葉は地面に沿い色がくすみます。
秋に美しく紅葉する品種もあります。
ティアレラの花
ティアレラの花期:4月~5月
花期になると、株元から花茎が上がってきて茎の頂部に総状花序を出し、花径1㎝程度の花をたくさん咲かせます。
花は多数の花弁があるように見えますが半分は萼片で、5枚の萼片の間に、細い5枚の花弁があります。
花は下から上へと咲き進んでいきます。花色はピンク、白があります。
ティアレラは原種のスダヤクシュの血を引いていて花つきの良さが特徴です。やせ地などやや悪条件下でもしっかり咲いてくれます。苗のうちは花が少ししか咲きませんが、地植えなどで土地に慣れると苗の頃からは想像できないほどの花つきを見せてくれます。
ティアレラとヒューケラの違い
▲ティアレラの花の様子
ヒューケラとティアレラは葉の形状など互いに良く似ていて葉を見ただけでは区別がつきにくいのですが、花が咲くと違いがはっきりします。
ヒューケラの花がスズランのような ツボ型なのに対し、ティアレラの花は一つ一つが花らしい形で穂状にたくさんの花がついています。
▲ヒューケラ(ツボサンゴ)の花の様子
ヒューケラは暑さにやや弱く、真夏は日陰に近い場所を好むのに対し、ティアレラは半日陰でも十分夏越しをするので、ヒューケラよりも夏越しがしやすいといえます。暑さ寒さに強く日陰にも強いので、適応できる範囲が広く、日本の至る所で育てることの出来る植物です。
分類的な違いは、ティアレラはユキノシタ科ティアレラ属、ヒューケラはユキノシタ科ヒューケラ属(ツボサンゴ属)で、属性が違います。
ティアレラの育て方
ティアレラの栽培の環境
日向から明るい日陰まで適応しますが、風通しの良い、半日陰くらいの場所を好みます。
夏の強い直射日光で葉焼けを起こしますので、夏の強い日ざしや西日を避けられる場所で育てましょう。
庭植えの場合は、午後から日陰になるような半日蔭の場所や、落葉樹の下などの明るい日陰が適しています。
暖地の場合は、明るい日陰の場所の方が安全です。
またティアレラは耐陰性があるので日陰~半日陰の場所でもたくさんの花を咲かせます。
土
水はけがよく保水力のある用土が適します。鉢植えで栽培する場合は、鉢の底に鉢底ネットを敷き、その上に軽石を入れ、花用の土を入れて植えつけます。肥料が入っていない土を使う場合は、適量の肥料を均等に土に混ぜ込んでおいて下さい。
庭植えで栽培する場合は、土をよく耕し、掘り出した土の二割くらいの腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。その際適量の肥料も混ぜ込みます。
水やり
庭植えで栽培する場合は、雨のあたる場所なら植えつけ時以外水を与える必要はありません。夏など、よほど土が乾いた時には与えるようにしましょう。朝か夕方が適しています。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたら鉢底から出るくらいたっぷりを目安に与えてください。ティアレラは極端な乾燥は苦手なので注意しましょう。
ティアレラの植え付け・植え替え
適期:春か秋
植え付け(用土)
春と秋の陽気がよい時期が植え付け適時です。鉢植えのティアレラは鉢底から根が出てきたら一回り大きな鉢に植え替えましょう。地植えのティアレラは数年間は植えっぱなしでも大丈夫ですが、花が咲かなくなったりしてきたら植え替えを行いましょう。そのタイミングで株分けを行うことができます。
また植え付け後は、たっぷりと水を与えたら、直射日光の当たらない場所でしばらく育ててください。二週間くらいたったら通常の育て方をします。
植え替え
最適なのは春の芽が動き出す前です。鉢植えの場合、2年に一度くらいは植え替えをすることをおすすめします。植え替えをしないと、根が鉢の中でぐるぐると巻いてしまい、肥料や水を吸えなくなります。そうなると生育が悪くなり、徐々に弱って枯死してしまいます。植え替える際は、1~2回り大きな鉢に植え替えます。
肥料
すでに草花が育っている場所に地植えをするなら、特に肥料を施さなくても問題なく育ちます。追肥は春と秋に与える程度で十分です。ティアレラは肥料を与えすぎると、葉が大きくなり、花が目立たなくなることがあるので、適量適期を守りましょう。
ティアレラは肥料分の少ないやせた土でも育つ丈夫な植物です。
病気・害虫
特に病害虫はありません。
まれにアブラムシが発生することがあります。その場合は薬などを使って退治してください。
開花
ティアレラの花は4月~5月に株元から花茎が上がってきてたくさんの花が開花します。おしべはひとつの花に10本。散らばったようについていて、ひとつひとつは小さい花ですが花火みたいな華やかさがあります。
剪定・切り戻し
終わった花茎は、株の根元で剪定します。ティアレラは冬場も常緑ですが、春の芽吹きのころに、前年の葉で傷んだ葉があるようなら株元でカットします。
ふやし方
ティアレアは株分けや種でふやせます。
株分け
株分けは、春と秋が適期です。秋に行う場合は、寒さが厳しくなる前までには根が張れるように早めに行いましょう。一つの株に2~3芽がつくように株を分けましょう。ナイフやハサミを使っても良いでしょう。
その際ナイフやハサミを火であぶるか殺菌剤につけるなどして消毒すると安心です。そのあとの育て方は植え付けのときと同じ通りです。
タネ
外から見て中の種が黒くなったら種を採取します。種付けはすべての花に出来るわけではなく、ひとつの房のところどころできる形になります。必要な分の種付けが出来たら、他の花は早めに摘み取りましょう。たくさん種付けをすると株が弱る原因となります。
収穫
ティアレラの花は切り花としても利用できます。
夏場の管理
品種によって差がありますが、ティアレラは夏の強い日差しが苦手な草花です。強い日差しに当たると葉が焼けてしまうことがあるので注意しましょう。
冬越し
ティアレラは耐寒性があるので冬場も常緑で冬を越します。冬場のティアレラの葉は地べたに這いつくばっているような見た目です。
春が近づいてくると株元から新しい葉が続々と出てきます。それとともに葉が少し起き上がってきます。新しい葉が出てきたら、去年の葉で傷んでいるものは根元からカットして葉を更新させると見栄えがよくなります。
ティアレラの苗の流通
ヒューケラは毎年たくさんの新品種が作り出され、豊富な品種数で流通量も多い多年草です。それに比べるとティアレラの流通量は少なめ、品種の数もさほど多くはありません。ヒューケラ同様、葉の色や形、花丈が品種によって違います。花を見て購入したい方は、3月ごろから花付きの苗が流通しています。
最後に・・・
いかがでしたでしょうか?
ヒューケラはリーフプランツとして重宝されますが、ティアレラは花も葉も鑑賞価値が高く日陰の庭を明るくしてくれる魅力的な植物です。
またティアレラは、庭の適切な場所に植え付ければ、後はほぼ植えっぱなしでオッケーなので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。とても丈夫な植物で花もたくさん咲くので、シェードガーデン(日陰の庭)に植える植物を探している方は取り入れてみてはいかがでしょうか。
今回は『ティアレラの育て方と特徴|ふやし方やヒューケラとの違いも!』のタイトルで、お届け致しました。
それでは以上になります。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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